光る!スーパーやる気アップウォッチ

光る!スーパーやる気アップウォッチ

2020

光る!スーパーやる気アップウォッチは、小学3年生向けの時計型教育玩具です。自立学習スタートの時期のお子さまが時間を意識して学習する習慣づけを応援したり、簡単なプログラミングを体験できたりします。

既存の小型ゲーム機型の玩具を、時計型へバージョンアップする開発のマネジメントを担いました。目標としたのは、顧客アンケートにおける2観点の高評価です。期待度が5段階中TOP2BOX80%以上、教材の満足度もTOP2BOXで80%を越える結果で、これは(新規開発でない)バージョンアップの成果としては非常に高い結果でした。 (通常は60%程)

プロダクトオーナー
ベネッセコーポレーション 進研ゼミ 小3講座
担当
プロダクトマネージャー

子どもが あこがれる時計型

コンセプトは「スマートウォッチ」×「プログラミング学習」。プロダクトマネージャ―として、コストや技術的な制約をふまえたコンセプトの企画提案から、ウォッチのソフト・ハードだけでなく、連動アプリまで総合的に開発マネジメントを行いました。

制約がある中での企画

期待されるUXは「タブレットでプログラミングし、それを玩具に反映する学び」でした。しかし、コストの都合で、タブレットと玩具は通信ができません。制約の中で実現するために、デジタル表示の時計の時・分表示4桁を利用した数暗号でプログラミングを反映することにしました。

結果、子どもたちにとっては複雑な通信よりもわかりよかったようで、試作機を使った調査の時点でいい感触が得られました。ローテクノロジーで体験を“演出”できたことは私にとっても学びであり、高性能に頼らないプロダクト開発を心がけるようになりました。

「プログラミング」企画より

スマートウォッチらしさとは?

Apple watchに代表されるような高性能デバイスは、プロジェクトの予算規模ではまったく実現できません。市場のスマートウォッチとして期待できる要素について、調査で聞こえた声をもとにして「スマートウォッチらしさ」を3つ決めました。

1.画面が黒く、形は流線型
2.時計だけでなく、多機能
3.ベルトを取り替えられる

これらを優先させ、意匠デザイナーやハードメーカーの方と相談し、時には3社会議を行って、調整を繰り返して具現化しました。

意匠デザイン ベルトが着脱しやすい設計

ハードとソフトを管理する

ハードウェア開発は、ソフトウェアよりも先に設計完了が必要な場合が多いです。それまでにソフトウェアの仕様を決定できるのが理想ですが、形もないハードウェアのソフト仕様を考えるのはなかなか難しいです。とはいえ、ソフトのことを考えずにハード側の都合だけで進めると、調整や不具合につながる可能性があります。

つまり、ハードウェアの進行を妨げないタイミングで、必要なソフトの要件定義が必要でした。早い段階でUX企画ができていたので、液晶の解像度やボタン配置といった制約の中でできるプログラミングの仕様を挙げて、開発全体をスムーズに進行できました。

ソフトの要求仕様より

学び:UX企画がハード・ソフト両方に必要

ソフト・ハードどちらも開発する場合は、企画で両者をつながなければいけません。どんなプロダクト、サービス開発でもUX企画が大切ですが、特にソフト・ハード同時開発やメディアミックスのような同時多発の開発こそ、UXを固めることが必要と考えるようになりました。

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