リニューアルしたチャレンジパッド(通信教育サービスのためのタブレット)のカバーです。ほとんどのサービスをこのタブレットで体験するので、タブレットの使いやすさはサービス全体の品質に直結します。タブレットの開発が遅れていたこともあり、非常に短期間でミスが許されないプロジェクトでしたが、他部門が設計を流用して展開するレベルの品質に仕上げました。
新しいタブレットが手に入るのが遅く、一方で納期は変わりませんでした。非常に短い期間のため、メーカーとは特別に密にコミュニケーションを取り、短い期間で試作を繰り返して、安全性と使いやすさの品質を保ちました。これは通常のスケジュールの半分以下です。
手をついて書ける新しいタブレットの機能を邪魔せず、以前より高価になる専用タッチペンを確実に保護できること。この要件をクリアするため、縫製によって覆うようにしていことを諦め、ホールド部を成型で、外側を熱圧という新たな構造としました。
これらを実現するため、メーカーには無理をお願いして2か月程で少なくとも5度の試作品を出してもらいました。これは逆に異例なことです。
本当はユーザー調査のあとに設計を行うべきです。ただ、あまりにも時間がなかったので、ユーザー調査を待たずに設計しました。ただ、同封する取扱説明書だけは調査の後で書き換えられるスケジュールを組み、フォローしました。
ユーザーの声はいくつか得られました。例えば、取り外しの方法をWEBでなく取説に記載することです。一方で、ユーザーからは「立てて使う」場合に、不安定で書きにくいという声もありました。設計の改善は間に合わなかったため、それについても取説に加筆しています。
すべてを完璧にすることは、実践的ではありません。頻度と重要性を評価し、限られたリソースや日程の中で、なるべくクオリティを上げました。